2019/4/14 ヨハネ福音書19:1~16 この人を見よ


・この人を見よ
 ローマ総督ピラトのもとでイエスは尋問を受けますが、彼はイエスに何の罪も見つけることができませんでした。そこでユダヤ人を懐柔するためにイエスをむち打ち、兵士らに愚弄させ、イバラの冠と紫の衣を着せてユダヤ人たちの前に引き出します。「さあ、この人です」と道化姿で引き出したのです。

・「この人」を捨てる
 その時、イエスに対するユダヤ人たちの憎しみと殺意は激しく、憐れみの情どころか「十字架につけろ、十字架につけろ」との叫びが響き渡るだけでした。十字架刑とはローマでは極刑であり、ユダヤ律法では神に呪われた者の刑でした。「木にかけられた者は呪われた者」とあるとおりです。彼らはイエスの生命だけではなく、名も影響も根絶しようと考えたのです。それでもピラトがイエスを助けようとした時に、彼らはカイザルだけが自分たちの王であるとして、完全にイエスを捨て去りました。ヨハネ1:11にある通りです。

「この人」 と救い
 聖書は世を愛し、自分を義とする者は、神に敵対してついには神殺しをなすことを「この人」を通して暴き出しています。
 私たちの内にも、この世を愛し、自分を義とする心が宿っていますが、それが如何に罪深いか自省する必要があります。そして自分の罪に気がつく者のみが、「この人」こそ、神の子キリストとして受け容れることができ、そこに宿された救いと永遠の生命を獲得できるのです。