2012/8/5 イザヤ5章 ぶどう畑の歌

・ぶどう畑の歌
  預言者は、失恋歌のように「ぶどう畑の歌」を歌います。その主人公は神ご自身です。神は、最上の土地に、最高のぶどうの苗木を植え、労力と投資を惜しまず、至れり尽くせりで甘いぶどうがなるのを待ったが、「ところが、酸いぶどうできてしまった」というのです。「あり得ない」「想定外」な結果になったということです。
  そこで神はそのぶどう畑を放置し、一切の恵みを断ち切ると宣言します。それは当然の報いで、誰も異議を唱えることはできません。  

 ・イスラエルとユダの罪
  ぶどう畑の歌は、神とイスラエル/ユダの関係を歌ったものです。神はモーセを通して彼らをエジプトからカナンの地に導き、律法に基づいた契約と恵みを与えて、祝福を与えました。ところが、彼らは神を恐れて、律法を守るどころか、悪と欲望に満ちた国に成り下がったのです。その結果は、裁きと旧約の廃止以外はありません。


 ・原罪と神の小羊
  聖書は、彼らが堕落してしまった原因として、原罪ということを顕に示します。原罪は、私たちの奥底に隠れていて、律法によってでなければ明らかになりません。(ローマ7:7)人は、自らの内にある原罪の存在を知って、初めて律法を越えた、優れた救いを待望することになります。
  そこで預言者は、律法よりも優れた救いとしてのキリスト預言を明瞭にしていきます。その旧約の預言を受けて、新約聖書のヨハネ福音書1:29に次のようにあります。「見よ。世の罪を取り除く神の小羊。」