2011/7/17 ローマ7:7~25 聖書の人間描写

・聖書の人間描写
 画家が陰影法で素描するように、パウロは「むさぼってはならない」という律法の文字を光としてあてて、人間存在の陰影を描きます。
 「むさぼってはならない」は心のありようも律する戒めで、これによって律法全体が外面の行いだけではなく、心の思いさえ律するものであることが明らかになります。
 「むさぼってはならない」との戒めによって、心が照らされたときに、心にそれがなくなるどころか反対に、「あらゆるむさぼりが生じ」ます。隠れていた罪が二重三重の影を作ると言うことです。 

・罪の原理と絶望の叫び
 この人間描写はある特定の人の姿ではなく、すべての人、また信仰者でさえも共通する姿です。肉の部分には、信仰者であっても罪が宿るのです。
 「からだの中にある罪の律法(原理)」とは、肉的人間において絶対的な力をもつものです。原理法則とは、小さな力がいくら抗ってもかなわない力です。人間がいくら努力しても、それは変えようがないのです。罪の原理を知るときに、すべての人はただ自分に絶望するより他に術はありません。

・ただ神に感謝!
 自分に絶望することは、信仰者にとって大切なポイントです。罪の原理の発見、自分に対する絶望、この暗やみを通って、人は初めて新しい御霊の支配に心を向けるからです。
 私たちが自分自身に絶望することは信仰生活において必然です。その時に、素早く切り替えて「私たちの主イエス・キリストのゆえに、ただ神に感謝します」と上を見上げましょう。

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