・すべての人は草
人間は知能があり、他のものと比較してすぐれていると錯覚することがあります。また霊魂は不滅であると聞くことがあります。しかし本質は「肉」に過ぎず、草と同じように滅び行く存在です。また人間との関わりやその頼もしさや慕わしさも、野の花のように絶えてしまいます。
・主の息吹がそこに吹くと
人間のはかなさは、何かの事件や災害時に明瞭になります。旧約の時代には周辺諸国の侵略がそれでした。人々は殺戮され、捕囚に憂き目にあい、人間が如何に頼りがない存在であるかを思い知ったのです。
しかし、事件や災害と見えることも、本質は「主の息吹」でした。地上の生まれながらの人間は神の怒りの元にあります。滅びという現実の中で、神の怒りの元にある存在であることを、厳しい形で示されるのです。詩篇90編にはそのことがしるされています。
・神の言葉は永遠に立つ
しかしながら、「私たちの神」は神の民に対しては厳しいだけの神ではありません。それ以上にあわれみと恵みに満ちた神です。その恵みの手段は御言葉をとおして明示されました。人の「栄光=ヘセド」は頼りなくとも、神の「栄光/恵み=ヘセド」は永遠なのです。
私たちは神の言葉である福音を信じることで、どのような時にも神によって新しい生命に生き返らせ、神の言葉と共に永遠に生きるのです。