・背景
アッシリヤ帝国は勢力を伸ばし周辺諸国を滅ぼします。またBC721年には北イスラエルが滅亡しました。イザヤ書36~39章の記事はBC701年頃の出来事と思われます。この時、アッシリヤ帝国は南ユダに矛先を向けエルサレムを包囲していました。
この時の南ユダ王国の王はヒゼキヤでした。彼は敬虔な人であり、この危機に際して、信仰的に対処します。
・ヒゼキヤの信仰
ヒゼキヤの祈りの言葉に、彼の信仰があらわされています。「ケルビムの上に座しておられるイスラエルの神、万軍の主よ。 」とは、一切の被造物から超然とした絶対神ということです。天使ケルビムは一切の被造物の頂点にありますが、その遙か上に君臨するのが主なる神です。
「ただ、あなただけが地のすべての王国の神」という告白は、異国の神々は偶像で主なる神のみが生きている神という告白です。
・ヒゼキヤの祈り
ヒゼキヤは自分のことよりも神を第1に覚えて祈っています。まず神の名が「そしられ」侮られていることを問題視して祈っています。さらに、自分のためというより神の栄光のために祈っています。
「私たちを彼の手から救ってください。そうすれば、地のすべての王国は、あなただけが主であることを知りましょう。」
神は御心にかなった祈りに答えてくださり、翌朝、アッシリヤ軍勢は撃退されたのです。