・アブラハムの試練
「…あなたの愛しているひとり子イサクを全焼のいけにえとして…わたしにささげなさい」と神はアブラハムを試練にあわせます。試練によって彼の信仰を試し、また神の恵みの大きさを新たに示すためです。
この命令に対してアブラハムは従順に従い、イサクを連れて「神がお告げになった場所へ出かけて行った」とあります。
・父の価値観…火と刀
「三日目に、アブラハムが目を上げると、その場所がはるかかなたに見えた」とあります。三日間はさながら巡礼の旅で、神を思い自らを思うときでした。そして「その場所が見える」とことで従者らを残し、アブラハムは息子イサクに薪を負わせ、自分は手に火と刀をもって進んでいきます。その姿の中に、アブラハムが神を恐れ神第1とする信仰心を見ることができます。
・ 信仰告白…アドナイ・イルエ
山に向かっている時、息子イサクは父親に問います。「火とたきぎはありますが、全焼のいけにえのための羊は、どこにあるのですか。」 この問いに対して父アブラハムは「神ご自身が全焼のいけにえの羊を備えてくださるのだ」と返答しています。これはごまかしではなく、アブラハムの心からの信仰告白で、「アドナイ・イルエ」ということです。
このとき、父の信仰は子イサクの心に投射されることになり、イサクもまた父の信仰と価値観を継承することになったのです。
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