2020/4/5 マタイ27:45~54 エリ エリ レマ サバクタニ

・十字架と暗闇
 主イエスは弟子たちに捨てられ、ユダヤ人に捨てられ、ローマ総督のもとで十字架刑に処せられました。その時「全地が暗くなって三時まで続いた」とあります。暗闇は天体や気象現象というよりも霊的な現象で、旧約預言者らによって預言されていた「終わりの日」の出来事です。神が罪に対する怒りを公然と現された現象です。しかしここでは、神の子イエスに神の怒りがくだされています。

・エリ エリ レマ サバクタニ
「エリ エリ レマ サバクタニ」とは詩篇22篇にあるキリスト預言の言葉です。主イエスは予言の成就として叫んだのですが、同時に彼自身の嘆きと苦しみの表出でした。「エリ]とは「私の神」、「レマ サバクタニ」とは「どうして私を見捨てたのですか」という意味です。父の神は永遠の愛でイエスを愛していたのですが、ここでは怒りによって彼を「見捨て」ています。神の子だけが知る永遠の絶望と悲しみです。

・なだめ
 イエスの十字架は一般的に罪の贖いであるとしますが、その本質は「なだめ」です。単に法的な身代わりの死というだけではなく、苦しみが伴うのです。この受難週、「私]のための贖いとなだめの尊さを覚えるようにいたしましょう。