・テサロニケへ
パウロはピリピから、エグナティア街道にそって、160キロ程西のテサロニケに向かいます。この町は、マケドニヤの州都で、5、6万の人口を擁し、当時としては大きな町でした。この町にはユダヤ人会堂があり、そこでユダヤ人と異邦人求道者に福音を語るために向かったのです。
・聖書に基づいて論じ
パウロの語り方について「聖書に基づいて…論じた」とあります。ユダヤ人や異邦人求道者は旧約聖書を知っており、そこを福音宣教の基点としています。「論じた」とありますが、それは相手の質問や意見に対して、丁寧に対応して、イエスの福音を旧約聖書全体の理屈に合う首尾一貫した教えとして示したということです。
「説明し、また論証した」とあります。イエスの御業とご人格を聖書全巻から、分かりやすく語り、明々白々たる真理であることを丁寧に示したということです。
・「よくわかって」
パウロの語ることに、しっかりと耳を傾けた人々は「よくわかって」、イエスこそキリストと受け入れます。このことは、この後の宣教地ベレヤでも同じでした。「非常に熱心にみ言葉を聞き…聖書を調べた」とあります。その結果「多くの者が信仰にはいった」のです。
福音宣教を通して、神の民と敵対者が分離されるのですが、それは聞く姿勢によってであることが分かります。