・神の裁きと普遍性
エレミヤ書では南ユダ王国の滅亡について記されているようです。しかし、周辺のすべての国々についても細やかに預言されています。それは他の預言書の場合と同じように、旧約聖書の預言の対象は、ただの一国ではなく全世界の民、全時代の民に対して向けられていることを示しています。
・バビロンの罪と裁き
エレミヤ書では、バビロン帝国が民の罪を裁く器であるとされ、その通りに、ユダ王国は滅ぼされ、民は捕囚として連れ去られたことが書き記されています。しかし神は公正な審判者として、そのバビロンの罪を決して見逃すことはありません「ベルははずかしめられ、メロダクは砕かれた」とあるとおりです。実際に「北から1つの国が…攻め上り」とあるとおり、バビロンはBC530年にメディヤとペルシアの連合軍によって一夜にして滅ぼされてしまいます。
・神の民の救い
神の民に対して厳しかった神ですが、最終的には、彼らをあわれみ救う方であることも明記されています。彼らが自分たちの罪を明確に認識したときに、バビロンから解放するだけではなく「とこしえの契約」にあずからせようと約束しておられるとおりです。
私たちはこの契約に加えられた者たちですが、神のお取り扱いは、旧約の民と一緒です。一時的に苦しむことがあっても、結局は、建て上げるためです。苦難にあうときにも、人を憎んだり、復讐するのではなく、一切を神の救いと裁きにゆだねることが大切です。