・大祭司の中庭で
ペテロはもう一人の弟子と共にイエスの後についていき大祭司の中庭まで行きました。しかしペテロは「イエスのためにいのちさえ捨てる」という気概はなく、自分が弟子であることを隠し、門番の女に対しても、イエスの弟子であることを否認していました。
それに対して、イエスの方は、ペテロとは大違いです。イエスは大祭司邸で尋問を受けますが、その態度は堂々としており、公然として証ししています。危機に際して、神の子と人間の態度は、対比的です。
・ペテロの否認
聖書はさらに、ペテロの弱さに焦点を当てます。彼は一度成らず、二度三度とイエスを否認しています。「そんな者ではない」という言葉は、イエスが神の子であることも否定した言葉です。
三度目に否認したときに「すぐ鶏が鳴いた」とあります。この時、ペテロはイエスの預言(13:38)を思い起こし、初めて自分の弱さと罪を認識したのです。
・回復
ここで描かれているペテロの姿は、すべてのキリスト者の典型的な姿です。人間的な強さは偽りであり、すべての人は罪人で弱いのです。しかし、その弱さと罪を認識することが、成長の始まりとなります。「キリスト・イエスにある恵みによって強くなりなさい」(Ⅱテモテ2:1) とありますが、キリスト者はただキリストの恵みを知ることで、成長して強くなるのです。