09/07/26 聖者と俗悪人 マルコ6:14~29

・俗悪人・・・ヘロデ王
 ヘロデ王はガリラヤ地方の統治者でした。不法に兄弟の妻と結婚する罪をヨハネによって非難されていましたが、敬虔な気持ちが幾らかあり、ヨハネに保護を与えていました。しかし、敬虔より体面を重んじる人間でした。彼は、人々の手前、ヘロデヤの娘の申し出を断ることができませんでした。そして「ヨハネの首をはねさせ」るという大罪を犯します。

・ヘロデヤ
 ヘロデヤは名家ハスモンの血を受け継ぐ女性ですが、我欲の強い女性でした。先夫と別れたのも彼が政治的失脚者であったからで、ヘロデを通してユダヤの王女となる野望があったからです。彼女はヨハネを憎んでおり、狡猾に殺害します。彼女は自分の願いを達成できたと思ったのでしょうが、彼女は俗悪な者として「裁きの書」に明記されました。

・少女サロメ
少女とはサロメのことです。彼女は巧みな踊りを通してヘロデを喜ばせました。しかし母親に唆されて「ヨハネの首を」その褒美として要求するのです。なお純粋さが残る少女でしたが、確たる真理を持たないために、母と同罪の罪を犯します。

・聖者の死
 バプテスマのヨハネは、キリストの魁となった預言者でヘロデ家の罪を逃すことなく告発しました。その結果、首を切られて死刑に処せられたのです。彼の働きは頓挫したのでしょうか。そうではなく、それにより彼の預言は完成し、彼は聖者とされ、生命の書に永遠の名が記されることになりました。
 私たちも人生に於いて義人として「生命の書」にしるされるか、俗悪人として「裁きの書」に名が記されるという瀬戸際の時があります。その時、判断を誤らないように志を明瞭にしましょう。

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