・東方の博士たち
ヘロデ大王の時代は表面的には壮大な建造物によって華やかさがありましたが、霊的には闇の時代でした。彼は猜疑心が強く、政治は歪んでいました。ユダヤの宗教的リーダーたちもまた、保身のために形骸した伝統を守るだけでした。
この時代にキリストが誕生しましたが、その誕生を知ったのは、ユダヤから遙か東方の博士たちだけでした。彼らは自分たちが、闇の中にあることに気づいて、求道していました。そこに、神によって救いの光が照らされたのです。
・ベツレヘムの星
「私たちは、東のほうでその方の星を見た」とあります。「星」については、様々な説がありますが、神が彼らの求道心に特別な輝きとして示された星であったことは確かです。そして、その星を「ユダヤ人の王」誕生を告げる星と理解し、その星に導かれてエルサレムに来訪しました。
パスカルは、次のように語っています。「神から心情の直感を通して宗教を与えられた人は幸福である」と。彼らはそのような人々でした。
・博士たちの礼拝
博士たちは、ベツレヘムが誕生の地であることを知らされ、ついに「母マリヤとともにおられる幼子を見、ひれ伏して拝んだ。」とあります。肉眼では、普通の幼子でしたが、彼らは幼子の内にも神の光を見たのです。
「…宝の箱をあけて、黄金、乳香、没薬を贈り物としてささげた」と、彼らの信仰告白と献身の姿が示されています。そこにクリスマスの礼拝者の姿が明瞭に現されています。