・かわいいのを見て…守る
モーセの母はヨケベテという名の女性でした。彼女はアロンとミリヤムの母でもあり、立派な信仰者だったようです。
モーセが生まれたのは、神の民にとって危機の時代でした。しかし彼女は「そのかわいいのを見て、三か月の間その子を隠しておいた 」とあります。「かわいいのを見て」とは単に人間的な感情だけではなく,「神の御心にかなってかわいい」ということです。それで自分の人間的な力を超えて、子どもを危険から守ろうとしたのです。
・神にゆだねる
しかし、自分で子どもを守ることができなくなったときに、「自分が」と固執することなく、神に子どもをゆだねる決意をします。「かごを手に入れ…子を中に入れ、…葦の茂みの中に置いた」とあります。神はその信仰をご覧になり、その子にパロの娘という救助者を与えたのです。
・真の神を教える
さらにヨケベテは、モーセの乳母として宮廷に入り込んで、彼に真の神について教え、宗教心を養いました。モーセはエジプトのあらゆる学問を学んだのですが、その心は真の神信仰に支えられていました。それによってやがて,神の民の救済者として活躍することになるのです。
母親が自分の子供をかわいいと思うのは,当たり前の感情です。その生来の感情を昇華させる時に、神の恵みもまた、溢れるほどに注がれるのです。