09/10/4 あなたはキリスト マルコ8:27~30


・心頑(かたく)なの中で
 マルコ福音書の背景には、人々の心の頑なさがあります。「目がありながら見えず、耳がありながら聞こえない」と主イエスが語られるとおりです。主イエスの願いは心の目と耳が開かれることです。聾唖者の耳と盲人の目の開くという奇跡の背後に、弟子たちの心を開こうとする願いが込められているのです。
 
・あなたはわたしを誰と
 「では、あなたがたはわたしをだれだと言いますか」。主イエスは一般論ではなく、「あなたはわたしを」と主体的な信仰を求めます。私たちはいろいろな「あなたと私」の関係を持っていますが、その中心は神との関係です。この中心の関係が正しいときに、私たちの目は開かれてすべての領域においてもよき関わりを持つことができるようになります。
 主イエスとの関係は神の領域における関係です。私たちが主イエスを正しく告白できる時に、私たちの目が開かれ、生活のすべての領域に光が差してくるのです。

・あなたはキリスト
 「あなたは、キリストです」とペテロは信仰告白します。この告白の背後に神の霊の働きがあります。神によってのみ人は心の目が開かれるからです。キリストとは「油注がれた者」という意味で旧約の王、大祭司、預言者のすべてにまさる神の子を意味します。「わたし」は彼を通してのみ、一切から救われ、一切の罪をきよめられ、神の一切を知ることができます。

・さらに明瞭にキリストを刻む
 ペテロの信仰告白はマルコ福音書の分岐点となり、これから後半の十字架と復活の場面に進みます。それに従って、ペテロと弟子たちのキリスト信仰も正され、深められていきます。
 これは私たちの場合も同じです。つまり私たちにとっても信仰告白が一つの目標であり、さらにこれを基点としてキリストの姿をさらに明瞭に、正しく心に刻んでいく信仰生活が始まるのです。

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