・父と母を敬え
第5戒は「あなたの父と母を敬え」です。「敬う」というのは面従腹背ではなく、心から尊敬して従うということです。神は、ご自身の代理のように親を立てて、子どもを養い育て、教育するようにされたからです。
またこれには約束が伴い、「あなたの齢が長くなるため」とあります。神は親を敬う者を覚えておられ、それを喜ぶと言うことだけではなく、人生の祝福としてくださるのです。
・殺しては…姦淫してはならない
「殺してはならない」とあります。人間は、神のかたちに似せて創造された尊い存在です。それを殺すことは、何よりも厳しく禁じられています。また行為としての殺人だけではなく、怒りや憎しみの思いをも禁じています。
「姦淫してはならない」とあります。神は結婚関係を聖別しておられるので、それを引き裂く行為を固く禁じます。同時に、みだらな思いで異性を見ることも禁じます。性的関係は、時代によって変遷しているように錯覚されていますが、神の戒めは不変です。
・悔い改めと新しい心
十戒の目的は道徳の規範を示すと共に、人間の原罪を顕わにする役割があります。行為はともかく、内面に向けられた戒めを完全に守れる者はおりません。だれでも心の奥に潜む原罪が顕わになるのです。そしてキリストを待望させるのも十戒の役割です。